会社やサービスが覚えられているかを確かめる時、指名検索数は分かりやすい指標です。ただし、検索された回数だけを見ても、どんな場面で思い出されたのか、候補として残った理由までは分かりません。
「覚えてマーケ」では、認知から記憶、想起、比較検討、選択、リピートまでを一つの流れとして捉えます。今回は、指名検索を入口にしつつ、顧客の記憶と想起を複数の数字と会話から確かめる方法を整理します。
指名検索は、想起の一部しか表さない
指名検索が増えれば、社名やサービス名を覚えて検索した人が増えた可能性があります。一方で、広告を見た直後の検索、採用目的の検索、既存顧客のログインなども含まれるため、すべてを新しい相談の兆しとは判断できません。
紹介された人がURLを直接開く、以前に保存したページへ戻る、担当者へ直接連絡するなど、検索を通らない想起もあります。社名を正確に覚えていなくても、「あの課題に詳しい会社」として資料や履歴から探し直されることもあります。
指名検索は大切な結果の一つですが、記憶の強さを一つの数字へ置き換えるものではありません。検索前後の行動と、問い合わせ・商談で出た理由を合わせて判断します。
認知から選択まで、見る数字を分ける
記憶と想起を確認する時は、すべての指標を一つの点数にまとめず、顧客がどの段階まで進んだかを分けます。まず、今ある計測の中から次の動きを並べます。
- 広告・SNSの接触人数と回数
- 指名検索・直接流入・再訪問
- サービス名や特徴を含む検索語句
- 問い合わせで挙がった想起の理由
- 再相談・リピート・紹介の件数
たとえば認知は増えているのに再訪問や指名検索が動かないなら、露出量より、何を覚えてもらうかが曖昧な可能性があります。指名検索は増えても相談につながらないなら、思い出した後のページで約束や証拠を確認できていないかもしれません。
段階を分けると、「もっと広める」と「覚えられ方を整える」と「選ぶ材料を足す」を別の改善として扱えます。同じ数字が伸びない場合でも、直す場所は変わります。
顧客の言葉で、思い出した場面を確かめる
アクセス解析だけでは、顧客が頭の中で何を結びつけたかまでは見えません。問い合わせフォームや商談で、流入元だけでなく、思い出した場面と残っていた印象を短く聞きます。
- 相談が必要になる前に、当社をどこで知ったか
- 当社を思い出した状況
- 記憶に残っていた言葉や見た目
- 比較候補に入れた理由
「広告を見た」という回答だけで終わらせず、いつ、どんな課題と結びついたかを確認します。誘導を避けるため、最初は選択肢を読まず、顧客自身の言葉を残します。
一人の回答を全体の傾向にせず、似た言葉が複数の顧客から出ているかを見ます。意図した強みではなく別の特徴が繰り返し挙がるなら、実際の評価と伝えたい約束のずれを検討できます。
数字と会話を、同じ記録へ戻す
広告担当は表示回数、Web担当はアクセス、営業担当は商談の感触だけを持っていると、記憶から選択までをつなげられません。月ごとに、数字と顧客の言葉を同じ記録へ集めます。
記録する項目は、接触した施策、再訪や指名検索の有無、問い合わせ内容、思い出した場面、残っていた言葉、比較理由、商談結果です。個人を特定する必要がない分析では、顧客情報を増やしすぎず、改善に使う項目だけを残します。
確認したいのは、施策ごとの手柄ではなく、どの接点が同じ記憶をつくり、次の行動へ渡したかです。数字が少ない月は結論を急がず、事実と仮説を分けて次の質問や施策で確かめます。
結果に合わせて、次に直す場所を一つ選ぶ
認知そのものが足りないなら、対象と伝える内容を保ったまま接点を増やします。接触はあるのに思い出されないなら、中心となる言葉や見た目を絞り、広告、SNS、Webサイトで反復します。
課題の場面は覚えられても社名と結びつかない場合は、会社名と約束を一緒に見せる位置を直します。想起されているのに選ばれない場合は、サービスページの実績、条件、比較材料、問い合わせ導線を確認します。
一度に複数の接点を変えると、何が記憶や行動へ影響したか分からなくなります。変更日と対象を記録し、同じ指標と質問を一定期間続けて比較します。
指名検索だけで良し悪しを決めず、数字と顧客の言葉をつなぐと、認知を増やす段階と、思い出される理由を整える段階を分けられます。認知から記憶、想起、選択までを設計する考え方は、「覚えてマーケ」の紹介ページでも確認できます。自社の計測や発信を整理する際は、サービス資料とcommitへの相談をご利用いただけます。
